不動産投資でぜひ知っておきたい、不動産購入後に発生する諸費用
以前のコラムでは、不動産投資での物件購入時にかかる費用についてご説明しました。
不動産投資では、物件購入時だけでなく、購入後にも諸費用がかかります。
物件の購入を検討する際は、購入後の諸費用も考慮しておく必要があります。
今回は、不動産購入後にかかる費用について、ご説明します。
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物件の購入後にかかる費用 購入前に理解しておこう
良い投資用物件を希望価格で手に入れても、購入後の運営費用まで考えていなければ、不動産投資はうまくいきません。
そうならないためにも物件の購入前には、購入後に発生する費用に関しても理解しておきたいものです。
そこで、物件購入後に必要な諸費用について、主なものを以下に示します。
■管理手数料(賃貸管理費、建物管理費)
不動産投資では、不動産管理会社に管理を委託する場合、毎月、賃貸管理費と建物管理費がかかります。これらの費用は、管理手数料(管理委託料)として管理会社に支払います。
賃貸管理費は、入居者の募集や契約、毎月の家賃の回収、入居者からの問い合わせなどに関する業務にかかる費用です。
一方、建物管理費は、共用部分(エントランス、廊下など)の清掃やメンテナンスなど、建物を維持するために必要な費用であり、清掃費が大きな割合を占めます。
■修繕積立金(マンションの場合)
マンションの場合、毎月、修繕積立金の支払いが必要です。修繕積立金は、将来の建物全体の計画修繕に備えて積み立てる費用です。
マンションの修繕工事は、12~30年といった長い周期で行われるのが一般的であり、費用も多額になります。修繕工事が必要になったからといって、費用を一括して徴収するのは難しいため、通常、管理組合が工事費用を見積もって策定した長期修繕計画に基づいて、区分所有者が月々の修繕積立金を負担します。
なお、修繕積立金は、将来改定されることがありますので、注意が必要です。
■修繕費
入居者が退去した後のハウスクリーニングや壁紙の張り替え、エアコン・給湯器といった設備の修繕・交換などにかかる費用です。
■共用部分の水道・光熱費
共用部分の清掃などを行う場合、水道代や電気代が別途かかります。
■固定資産税・都市計画税
不動産を保有していると、毎年、固定資産税・都市計画税が課されます。
毎年1月1日時点の不動産所有者に対して納税通知書が送付され、年4回に分けて納付することになります。
購入した年は、前の所有者(売主)との間で日割り精算をします。購入した年の次の年からは、所有者が全額納付する必要があります。
なお、土地・家屋の固定資産税は、3年に1度、評価替えされます。
■不動産取得税
不動産を取得したときに、1回限り課される税金です。
登記申請後、都道府県税事務所などから納税通知書が送られ、それに従って納付することになります。納税通知書が送付されるのは、不動産取得からおよそ半年以上先です。このため、実際に納付するのは不動産購入後になります。
確定申告をお忘れなく
不動産投資では、1年間で入ってきた不動産所得に対する税金を毎年1回計算して、不動産所有者自身が納税する必要があります。これが確定申告です。
確定申告は、収入と必要経費を正しく認識することが大事です。
不動産投資での収入は、家賃収入、更新料、礼金などに限られ、混乱することはあまりありません。
しかし、必要経費は種類も多いので、何が不動産投資に関する経費(支出)として計上できるか十分に認識しておく必要があります。
不動産投資において収益が上がっていない理由の1つに、物件購入後の運営費用がかさんでいることが挙げられます。
不動産投資では、物件購入時、そして購入後にもさまざまな場面で一時的または継続的に費用が発生し、収益に影響を及ぼします。
不動産投資を始める前に、物件を購入する前に、今回ご紹介したポイントを十分理解しておきましょう。